2015/2/ 海外遠征 in ニュージーランド vol.1
黒潮爆裂組、初の海外遠征、ニュージーランドへ。
今回、海外へ釣行企画が出てから、数か所の候補地から、
「キャスティングもジギングも楽しめるニュージーランドでキングフィッシュを狙いに行こう!」
という提案から話が進み、ちょうどKUROBAKUとして新たなジグの開発進んでいたところであったのと
この新開発ジグのテストも兼ね、いざ「ニュージーランドへの釣行」が決定しました。
この時期NZはサマーシーズンで釣り以外でも観光客の来訪が多い時期。ましてやキングフィッシュのシーズンともなると、さすがに船の手配が難航。
そしてある日、ツアー会社から電話が・・・「何とか船を手配できそうです!」との吉報が。
「どこになりますか?」
「この時期だとシーズン終盤になりシブイかもしれませんが、数箇所候補はあります。その中で比較的安定しているのがオークランドから車で300km走った ファカタネという場所から出港してホワイトアイランド(火山島)周辺でトライしてみられますか?船もラッキーなことにファカネタでは有名なシルバラード号 を取れそうです。」
無事に船の確保もでき、「黒潮爆裂組」ニュージーランド、ホワイトアイランドへの釣行が決定しました。
ニュージーランドのキングフィッシュは「とにかくガチンコ勝負だ!」と経験された方々から多くの情報を得ました。釣行先のホワイトアイランドは活火山島で 周囲のポイントとなる場所は溶岩隆起などでボトムが起伏に富んだ場所。しかもヒットして根からひきずらないと一発根ズレでヤラレると皆が口を揃えて言われ る。まったく日本ではイメージ沸き難い中海外遠征用のタックルを選定し、様々なケースを想定して入念な準備を行う必要がある。 でも・・・制約もある。
航空機への持込荷物の制限だ。
今回の遠征メンバーは6名。そうなるとキャスティング、ジギング両方のロッドがそれなりの本数になる。
今回利用した航空機は大韓航空。SKYTEAMのマイルもそんなにあるわけではなく、アップグレードも望めないため荷物は一般的な上限23kg×1個(体積は3辺合計277cmまで)までとなった。
それを超えると超過料金で膨大な金額を払わないといけなくなるのだから、いかにコンパクトにまとめるかが勝負となる。
「1人ロッドは4本まで!」そういうルールを設定したが、メンバー6名×4本で最大ロッドは24本・・・そんなに入るロッドケースは市販では無い。そうなると「作るしかない!」とメンバーが自作でロッドケースを作った。
しかし、実際に詰め込むと重量や長さに少し無理があり、一抹の不安が残る。超過料金覚悟で持ち込むことにした。
ジグの方は今回の遠征に新たなラインナップとしてS-jig KUROBAKUスペシャル「爆ジグ」の300mm / 250g と
Second Stage☆ 刃~yaiba の240mm/320gのオリジナルカラーを制作。今回のジグ制作のコンセプトは「ヘビーウェイト・ジグ」!いざニュージーランドでの実戦へ。
<実釣初日>
タックルを抱えモーテルから徒歩5分のマリーナへ向かう。
集合は7:00だった。
指定された船着場に到着すると、シルバラード号のキャプテンとクルーが船で待ってくれていた。キャプテンを見ると、何やら少し気難しそうな感じの人で口数 も少ない。少し不安がよぎったが、後でキャプテンに聞くと、「日本語がわからないので不安で口数が減っていた。」と教えてくれた。挨拶を済ませ、クルーが慣れた手際でタックルを船に積み込み早速出港。
乗船したシルバラード号はとても快適で、1Fキャビンはクルーザー特有のリビング形式でソファーで寛ぐことができ、2Fのトップデッキも広々としており、魚探、GPSの装備は充実していた。
マリーナを出港し、目的のホワイトアイランドまでは約1時間30分。天候は曇り。
海況は少しだけウネリはあるものの問題はない。
出港して1時間ほど経つとホワイトアイランドが目の前に見えてくる。火山の煙をモクモクと上げ、日本ではなかなかお目にかかれない風景にメンバーは興奮気味。ファーストポイントのキャスティング準備に入る。
ポイント周辺に到着すると、沖からの風と海流がモロに島へぶつかる場所のようで波が高い!でも、釣りができないレベルではない。
キャプテンから開始の合図があり、沖からカケ上がり沿いに磯場へ向けてミヨシに3名、トモに3名の体制でキャスティングを開始した。ミヨシは比較的広いの だが、フィッシングレールが思いのほか低く、船が揺れると身体を固定する場所が微妙な位置で少し釣り辛い。トモは広いが、キャスティングの振り幅がとり辛 いのでフルキャストは難しい。
景色は目の前に広がる活火山を見ながらキャスティングをすると、とても壮観で爽快!ポイントはいかにも魚が出そうな雰囲気アリアリの場所。
水深は真下で20m。ヒラマサのポイントって感じの場所でした。
一流し目はノーバイト、二流し目でメンバー秋江氏にHIT!
5kg足らずのファーストフィッシュを上げることに成功。船長に聞くと、ここはサイズより数の場所とのことで小さい方が先に口を使ってくる。とはいえ、中にデカイ奴が混じるので気を抜かないように。と指示が入った。
メンバーもファーストフィッシュを見てキャストにも力が入るが続かない。何回かバイトはあるものの乗らない状態だった。
船長から「見切って移動しよう」とのことだったので、言われるがまま移動を行った。
しかし、何度も言うが、ホワイトアイランド島という島の景色は本当に綺麗で壮大だった。垂直断崖あり、リーフあり、魚の気配をムンムンと感じる場所でウズウズが止まらない。
少し移動をして、島から少し離れた「根」に移動した。
根といっても水深100mから20mまで突き上げた水中の柱のような根。
魚探をみて、「なんじゃこりゃ・・・どんな起伏やねん!」画面を見たら底はガタガタ。底取りできないと一発で根がかりやん!キャプテンがポイントによって キャスティングかジギングか指示をしてくれる。ポイントによってはミヨシはキャスティング、トモでジギングといったように分かれて釣りをする場合もある。
そんな根が周辺に点在しており、船は根の上を数回流して移動していくプチランガンスタイル。今のところ魚からの反応はない。
3箇所目くらいだったか、ポイントに到着して船長が「魚いるよー!」と声をかけてくれた。私はトモでジギングに切り替え、「セカンドステージ刃320gレッドヘッド&シルバー(プロト)」を落とした。底取りが命だと考え、着底を確実に
取るには重いジグが欠かせないと実感した。深い根の場合は400gあってもいいぐらいだった。潮はそんなに流れていない。いわゆるドテラで根の上を通していく。
3回目の落としだったかと思うが、底から5シャクリくらいのところで私にもファーストヒット!「ドスン!」一気にティップが引き込まれる!ファーストラン が始まった。ステラ10000番のドラグが鳴く!「うひょー!」と声を上げながらギンバルにグリップエンドを刺し、両手で耐えてみる。
海外経験の多いメンバー秋江氏から「ドラグ締めて!ショートパンプで頭をこっちに向かせて!」と激が飛ぶ。
私は恐る恐るドラグを「チリチリ・・・」と徐々に締めながら、ポンピングで寄せてみる。少し魚が止まり、寄ってきてると思い一気に巻きに入る。
ロッドに重みが伝わり、大きく頭を振っているのがマジマジとわかる。「これ・・・結構あるんちゃうん!?」と心で思いながらラインスラッグを絶対に出さな いようにポンピングを続ける。残り30mくらいだったか?また魚が船を見たのか走り出した!せっかく巻いたラインがまた引き出される。
そして・・・・ティップがトゥン!!!!
あ!フックアウト!!!!
「マジかぁ!!!!!!????」
痛恨のバラシである。
少しの間、悔しさが収まらず呆然としてしまった。
メンバー皆にチャカされ、悔しさ倍増!!
気を取り直して新たなポイントに入り直す。
ここは一発大物とのことで、海底からの隆起岩が突き出ている「いかにも」という雰囲気の場所。根も荒く、起伏に富んだ海底が魚探に映る。
周りに目をやると、いたるところで水面がバチャバチャ。ベイトの群れが魚群を
作っている。こちらでは「ブルーマオマオ」というアオイサキの仲間が水面をバシャバシャと群れを成している。見るからに真っ青な南方系の魚を思わせる魚体で、そこだけ水面が真っ青。
(葛原氏がプラグを投げ込み30cmくらいを1匹掛けていました)
そのとき、ミヨシでキャスティングを行っていた三谷氏のロッドが大きく曲がった!「デカイ!」と皆が声を揃えた。各自投げたり、落としていたプラグ、ジグを回収してメンバー全員フォローに回る。
こういう時に同船メンバーの意識が合うということは非常に重要だと思う。誰かが掛けると、状況判断によると思うが周りのアングラーがラインを回収してフォ ローに回ることで周囲とのライントラブルを避け、魚を確実に獲れる環境ができる。もちろん、ラッシュ時には常に周囲とのライントラブルを想定し、その時々 の状況判断の上、協力し合える関係もオフショアでは重要な要素ではないだろうか。
さて、弓なりになるロッドを両手で耐えている三谷氏。
結構ドラグを締めているハズのソルティガDFからドラグの音が鳴り止まない。三谷氏は腰を落とし、魚との距離を詰めるために決死のポンピングを続けている。メンバー皆、上がってくる魚に期待を寄せ、冗談混じりで激を飛ばす。
一瞬だった・・・
弓なりになっていたキャスティングロッドが元の状態になり、三谷氏は落胆の表情を浮かべる。「あーーーーーーーーー!!!」根ズレでラインブレイク。
NZ到着初日にアドバイスをしてくださった佐藤氏の言葉を思い出す・・・「根ズレはNZの洗礼ですよ(笑)」
これか・・・
今にも地団駄を踏みそうな三谷氏。気を取り直して次イッてみよー!
そしてまた新たなポイントに到着し、私はジグで再度トライしてみた。
1流し目で再来!重い当たりと同時にラインがドラグから引き出される!「来た!」心地良いドラグ音と短いジギングロッドがバットから曲がる。獲りたい一心で回るスプールを手で抑え、一か八かの勝負。また秋江氏から声がかかる!「巻け巻け!」
「糸が切れるか魚が浮くか勝負したろやないか!」と少し荒めのポンピング。何回かラインを出されるも確実に浮いてきている。そんな中、キャプテンがしきりに言う。「早よ上げんとサメ来るでぇ!(こんな関西弁ではないだろうが)」
正直言います。「楽しい!」
そして海中から青白い物体が浮いてきた。船べりまで上げてきたときにミヨシからも声が!木戸氏ヒット!
ジギングに切り替えたメンバーからぞくぞくとヒットコールが。いいところに入ったようだ。
そんな中、私は魚をやっと浮かせ、クルーがリーダーを掴みハンドランディング。詳細は計っていないが15kg足らずの初キングをキャッチ。続いて木戸氏も無事キャッチ。ここからプチラッシュに入り全員安打。アベレージは7~8kgってところでしょうか。
ヒットジグは「中谷化学工業 S-jig爆250g(プロト)」「セカンドステージ刃ヘビーウェイトVer.300g(プロト)」「ナムジグ250g」その他・・・
当日はシルバー系が良く当たっていたと思います。ヒットレンジは底から20m以内が多かった。(底から2シャクリで食った魚もいました)
こちらでは、10kg以下は即リリース。日本では完全にクーラーボックス行きのサイズだが、ポイポイリリースされる(笑)挙句は船にも上げない状態。
少し経つとラッシュも落ち着き、また流し直す。
小康状態が続いているときにリーダー葛原氏のジギングロッドが曲がった!「こいつはデカイ!」隣でシャクっていた私も即座にラインを回収し、カメラを手に持ち攻防を眺めていた。
気持ちのいいロッドの曲がりを見ながらメンバーは談笑。茶化しながら息切れしている葛原氏を笑い飛ばす。少しだけキャプテンに前進/後進のフォローを入れてもらいながら魚を寄せる。強く短いジギングロッドな分、船底に入られたときに対処がしにくいのだ。
上がってきたのは15kg前後のいい魚体。本日の最大魚ではないだろうか。
この時すでに13:00を過ぎていた。
ここでは帰着が15:00~16:00頃となっており、帰港には1.5時間はかかる。沖では14:30頃のストップフィッシングとなる。
その後、数箇所回るがポツポツの小型サイズを拾い釣りとなり、帰港時間となり初日の実釣はここで終了した。サイズは伸びなかったが全員安打でキングフィッシュの手ごたえを感じることができた。あとはキャストでも獲りたいなぁ。明日に期待である。
会の終盤に明日の出港時間を早めようとの結論になった。理由は、今日の朝イチに入ったキャスティングエリアで早朝ローライトの状態で入れば魚の出が良いのではないか?との結論に至った。明日は今日より早い集合を約束してキャプテン
と別れて夕食へ向かった。
2015/2/ 黒潮爆裂組 in ニュージーランド Vol.2へつづく